賢明学院中学高等学校 「ひとりのおさなごの魂は、この宇宙よりも重い存在です」 マリー・リヴィエ

GOOD NEWS
賢明学院 宗教教育センター通信 第6号

『キリストの降誕』
ヒューホー・ファン・デル・フース (1475-80年ころ)
フィレンツェ/ウフィッツィ美術館 蔵

 

最初のクリスマスプレゼント

今から2千十数年前,地中海の東海岸,現在のパレスティナ,当時ユダの国と呼ばれた地方で,
歴史上最大の出来事が起こった。それは,一人の男の子の誕生である。この人物は人を罪から救い,真の平和を教え,
世界の歴史を決定的に変えた人であり,現代世界のどんな出来事も,この一人の人物との関わりなしには考えられないほど
である。しかし,その男の子の誕生は世界中で,ほとんど誰も気づかなかった。

 

 気づいた人はほんのわずか。両親と数人の羊飼いと,それに,はるか東の国で星を観測しながら,
古くから伝わる旧約聖書の予言を研究していた占星術の学者たちだった。彼らは,星の動きから世界の出来事を読み,
また西暦紀元前800年から伝わる,旧約聖書のミカの預言書を読み,今,この預言が実現したことを悟った。
預言者ミカはこう語っている。

 

ユダの地エフラタのベツレヘムよ、
お前はユダの氏族の中でいと小さき者。
お前の中から、わたしのためにイスラエルを治める者が出る。
(ミカの書5:1)

『東方三博士の礼拝』

 

この予言が実現したことを確信した学者たちはすぐに立って,誕生した新しい王に会うために,贈り物を携えてユダの地,
ベツレヘムに向けて出発した。星の光だけを頼りに,何日も,いやもしかしたら何週間も,何ヶ月もかかったかも知れない。
ただ,偉大な王,人々を導く真の指導者に会うために旅を続けた。


当時ユダヤの国は,地中海全域を領土としたローマ帝国の支配下に置かれていたが,ちょうどその頃,
ローマ皇帝アウグストゥスから全領土の戸籍調査の命令が出た。ローマ皇帝は税金を集めるために戸籍調べをしたのである。
すべての国民は自分の家族の出身地である故郷に帰り,その名前と財産を届けなければならなかった。
現代の歴史家たちは,おそらく西暦紀元前7年頃に行われた調査であろうと考えている。


イエスの両親,ヨゼフとマリアはユダヤの国の北の地方のナザレに暮らしていたが,この戸籍の登録をするために,
南の村ベツレヘムに行かねばならなかった。マリアはそのときイエスを身ごもっていて,出産も近かった。
ベツレヘムは小さな村で,宿屋も少なく,二人は貧しく,やむを得ずヨセフとマリアは家畜小屋に泊まり,
マリアはそこでイエスを生み,家畜の餌を入れる飼い葉桶に寝かせた。「宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。
@pl;-51427」とルカ福音書は伝えている。


そのとき,占星術の学者たちは,人に尋ね星に導かれて,ようやくこのベツレヘムにたどり着き,幼子と母マリアを見出した。
彼らは喜び,ひれ伏して幼子を拝み,宝の箱を開けて,黄金,乳香,沒薬を取り出し,贈り物として捧げた。
この捧げものが,最初のクリスマスプレゼントである。


いや,このプレゼントは最初のプレゼントではない。イエス・キリスト自身が,神から人類への最高のプレゼントなのだ。
神は,罪と弱さにあえぐ人間を憐れみ,罪を許し,行くべき道を示し,希望を与え,救いに導くために,ご自分の独り子を
人間イエスとして私たちに贈ってくださったのだ。世界最高の贈り物,神の最大の愛のしるしをプレゼントしてくださったのだ。 

私たちもこの愛に応えたい。私たちもこの愛に答え,周りの人,世界の仲間にこの愛を分かち合い,喜びを共にしたい。
これがクリスマスプレゼントの意味であり,クリスマスの意味なのだ。

 

 

 クリスマスおめでとうございます。何故おめでたいか? その意味を理解して頂きたくて,今回の記事を書きました。
また,今年のクリスマス行事には,イエスの誕生に,遥か東の国から駆けつけた三人の王様を題材にしたオペラが
演じられますので,それについても考えて見ました。

(聖書には「占星術の学者たち」と書かれていますが,ヨーロッパの伝統の中で,いつの間にか王様と考えられるようになりました。

 

また「三人」とも書かれていませんが,贈り物が三種類なので三人と言われるようになりました)。

 このオペラにも描かれているように,クリスマスのテーマは,平和,恵み,喜び,感謝,愛,謙遜,などなど,
そしてその印としての贈り物です。クリスマスや学校のクリスマス行事について,是非話してあげてください。
この記事がヒントになれば嬉しいと思います。

 

 今年のクリスマスには,どうしても東北の大災害のことを思わずにはいられません。
私たちがただ無事で平和にいられるだけでどれほど感謝しなければならないか,と痛切に思います。
どうか私たちの感謝の印が,災害にあった方たちへの思いと結びつきますように。

どうぞ皆さん,恵み豊かなクリスマスと新年をお迎えになりますように。
(もしイエス・キリストの誕生の記述に興味があれば,マタイ福音書の1章18節~2章23節,それにルカ福音書1章26節~38節,2章1節~20節を読んでみてください。)

 

 


 

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